Room EQ Wizard (2019/2/16)
周波数特性の測定 (2019/2/2)
バイアンプ接続 (2018/12/6)
AVアンプmaranz NR1609 (2018/7/23)
maranz NR1609
AVアンプである。今までONKYOのTX-SA800を15年くらい使っていたのだが、随分前から一部チャンネルの音が出なくなる事態となっていた。最初は出ていてもじきに出なくなったり、ボリュームをいじったらまた出るようになったりならなかったり、音の出ないスピーカーが別の所に変わったり、音が出てもちょくちょく音が途切れたりと安定しなかった。前から買い替えを考えていたが、調子が悪いので使わない→使えなくてもいいや→使わないからこのまま、ということで放置していた。最近また欲しくなり、今回はなぜかリミットを超えてついに買い替えた。
小さくて軽くて機能が十分で出力も私にとっては十分という判断でマランツのNR1609にした。今どきのAVアンプらしくHDMI入力が豊富(8)な代わりに他のビデオや音声の入力が少なくなっている。それでもコンポーネント入出力があったり、光の他に同軸のデジタル音声入力があったり、フォノ入力があったり、AM/FMチューナー内蔵などと古い機器に対応している。逆に有線/無線LAN、USBメモリ、Bluetooth入力など新しいものにも対応している。ちなみに無線LANではWPSが使えた。
つなぎ替えてみるとまたもや一部の音が出なかったりリアスピーカーの極性が逆とか言われたりする。よく見るとスピーカーのバナナプラグのネジが緩んでいる。もしかして今まで音が出なかったのはこのせいだったのだろうか。(入れ替えた後なのでもう調べる気はない)
今までサブウーハーの電源はアンプにあった連動コンセントを使っていたのだが、今回の(と言うか最近の)アンプには付いていない。大電力を供給していると電源がフラついて音に影響するからということだろうか。サブウーハーは入力がないときにはスタンバイになるタイプなのだが、測ってみると使用時25W、スタンバイ時3W。スタンバイの消費電力が気になるのでスマートコンセントを使って音声オンオフすることにした。ちなみにアンプは使用時35W、スタンバイ時0Wだった。
バイアンプ接続(AVアンプ)
この間買ったmaranz NR1609だが、突然余っている2chを使ってフロントスピーカーをバイアンプ接続に変えようと思い立った。そこそこのケーブルを購入し、前後のスピーカーを置き換えて、接続した。
以下アンプ設定の手順。Audyssey(オーディシー)についてはここが詳しい(英語)。
1.スピーカーを繋ぐ
2.入力ソースをつなぎ、入力切り替えボタンと映像入力と音声入力の対応を設定
3.Audyssey自動設定
・マイクを付ける→自動的にAudysseyセットアップ画面になる。
・サブウーハーのボリュームは真ん中くらいに上げておく。
・スピーカー接続設定する。私の場合bi-amp(5.1ch+biampの2ch)。
・6箇所ちゃんとマイクを移動して測定する。最初のマイク位置(リスニングポイント)が重要。2〜6箇所目は適当に。
・スピーカーの距離と音量レベルとクロスオーバー周波数の他、イコライザーが設定される。イコライザーはスピーカー音+反射音の結果が反映されている。
※測定結果として距離、レベル、クロスオーバー周波数、イコライザーが確認できる。
※以下の画面でFlatのときのイコライザーを数値で確認できる。Audysseyに戻すときはグラフィックEQを初期化する。
SETUP - Audio - Audyssey - MultEQをOffにして、
Audio - Graphic EQでCurve Copyし、
Graphic EQ - Each - Adjust EQ
※バイアンプの場合は完全に1つのスピーカーとなる(まとめて測定され、ウーハー/ツイーター別の値は確認できない)。よってウーハーとツイータ別にLPF/HPFをかけたり距離を変えたりできない。
4.SETUP - Audio - Audysseyの設定
自動設定では最後に機能の有効/無効を問われるが、ここで変更できる。入力ソース別に設定される。
ここはイコライザーを使うかどうかの設定を行う。(距離とレベルは常に反映される)
MultEQ
イコライザー補正 Audysseyのイコライザーを有効にするかどうか。
・Referenceは2k付近にdipを作って高音部を下げ気味に調整(部屋の残響を想定)
・Flatは音域によらずフラットに調整(残響のない部屋または直接音しか聞こえないくらい近距離を想定)
・サブウーハーにはイコライザーがない?
Dynamic EQ
リファレンスオフセットの設定基準は以下。0dbだと補正が強く15dbだと弱くなる。
・音量変化の大きいもの=大きな音量設定で聞かれるものとして調整されている(映画とか)→0db
・音量変化の小さいもの=小さな音量でも十分聞こえる(音楽)→15db
DynamicVolume
設定の意味はわからないが、Heavyは音が小さく(ダイナミックレンジが狭く)なり、Lightは大きく(広く)なる。オフはMidiumに近い。ボリュームやコンテンツの音量レベルで違うのかもしれない。
とりあえずオフで。
5.SETUP - Speakers - Manual Setup
3.の自動設定で概ねOKだが、微調整する。左右アンバランスなのとか気になるし。ソース共通。
スピーカー構成
小スピーカーの低域成分はSWから出力される(その境目はクロスオーバーで設定)。
サブウーハー並みに低音が出ないのならば小にしておく。
距離
・音を聞いて0.01m単位で微調整する。距離を短くする=音が遅く出る、距離を長くする=音が早く出るようになる。最終的には位相が合うように調整することになる。
※数値を変えた後、Distanceを抜けないと音に反映されない。従って、数値変更→決定→戻る→音を確認→距離で決定→スピーカー選択→決定→数値変更を繰り返すことになる。
・Stereoにして左右とサブウーハーのディレイを決める。
・Multi Ch Stereoにして左右とセンター、左右とバックのディレイを決める。
※私は調整したいスピーカーのレベルを一時的に上げて調整している。
レベル
チャンネルごとの音量を好みで詰める。自動設定でフロント-6.0dbとかになっていても変更しない方がいい。
テストトーンでは同じに聞こえても、Multi Chにするとリアの音量が大きく聞こえがち。私は下げている。
更に音楽を聞いてサブウーハーの音量を決める。(私は+3.5dbにしてサブウーハーのボリュームを下げている)
クロスオーバー周波数
SWから出す低域成分の周波数の設定。それより低い音は各スピーカーから出なくなる。
サブウーハーはより低音に注力させたほうがいいと思って下げているが、それなりにとどめてメインが極低音を出そうと無理をさせないようにするのがいいという考えもある。
メインのウーハーが30cm→40Hz、15cm→80Hz、10cm→120Hz位か。
低音
LFEにすると、0.1ch分+スピーカー構成で小にしたものの低域成分がSWから出る。
LFE+メインにすると、スピーカー構成(大小)によらずに全スピーカーの低域成分がSWから出力される。大だとメインにフルレンジ出力された上にサブウーハーも鳴ることになる。(やめとけ)
LPFをクロスオーバーより下げるとその間の周波数の音が凹む。
6.SETUP - Audio - Center/Subwoofer Level
センターとサブウーハーの音量はこのメニューでも変更ができる。
Speaker - Audyssey - Manual - Levelと同じ。
7.SETUP - Audio - M-DAX(入力ソースごと)
MP3/WMAとかの圧縮ソースの補正(128Kbps以下が目安?)
AAC/Dolby/DTS辺りの圧縮音声はdisableで。
8.サウンドモード
音楽に使えるのは以下。Neural:Xも微妙。
Stereo
Multi Channel
Dolby Surround
Direct
Pure
Auto
DTS Neural:X
・Directはイコライザーなどが無効になる。
・Movie/Music/Gameの差は分からない。
・StereoやAutoでどのスピーカーが有効になっているかはINFOボタンで確認できる。
・Multi ChにするとSWからの音が聞こえにくくなる。センターとサラウンドの音が加わって音が大きくなるのにSWの音は変わらないので相対的に小さく聞こえるのだろう。
9.SETUP - Audio - Surr.Parameter
サウンドモードにより選択肢が変わる。
・Stereoのときはサブウーハー
サブウーハーを使わないときにはオフにする。6.のスピーカー構成が大になった相当(小のスピーカーでも低域音を出すようになる)
・Dolby SurroundのときはシネマEQとセンターの広がり
センターの広がりはセンターチャンネルの音を左右に振り分ける
・DTS/マルチチャンネルのときはシネマEQ
10.OPTION - Level/Tone(入力ソースごと)
Level
チャンネルごとのレベル調整
映画なのでセンター音量を上げるとか、
音楽なのでセンターを抑えて左右をメインにするとか。
Tone
イコライザーとは別の大まかな高域・低域のトーン調整
11.スマートセレクト(ショートカット)
A〜Dを長押しして入力ソース、モード、音量、MultEQ/DynamicEQを保存できる。
A〜Dを押すとワンタッチで選択できる。
12.その他
・HEOSの設定/登録をしていないとbluetoothが使えない。
デバイスで音楽再生した後、bluetoothを選択するとbluetoothに切り替わる。
・自動設定された結果や微調整した設定内容はUSBメモリにセーブできる。
周波数特性の測定
最近アンプの距離設定やイコライザーにハマっていたのだが、車でも同様のことをしたくなった。うちの車にはDSPとしてalpineのPXA-H700(マルチメディアマネージャー)というものが入れてあり、各スピーカーのディレイ設定と31バンドイコライザーが使える。ディレイは音を聞けば感覚でそれなりに合わせられるが周波数特性は自分の感覚では無理だ。
というわけでPCを使って測定音の出力とマイク入力によるスペアナで確認してみる。PCは昔使っていたLOOX UをWindows10にしたもの。10にしただけでは全くメモリが足りなくて使えなかったが、常駐ものを止めていって何とか300MB前後の空きを確保した。(使用量は650MB〜700MBほど)
まずは簡単に音声はヘッドホン出力をそのままalpineにアナログで入れて音を出し、マイクはマランツアンプに付属していたセットアップマイクを使ってみる。PCではWaveGeneと周波数特性測定用波形で音を出し、WaveSpectraを使って波形を見る方法で行う。測定結果を見てイコライザー調整し、再び測定することを繰り返す。これで一応調整してみた。今回タイムコレクション(各スピーカーごとのディレイ)も音を聞きながらやり直してみたら全然違っていた。今までこんなに違っていたもので満足していたのか...
しかし調整結果にはいまいち満足できない。無音時のノイズが大きいので周波数特性の結果がいまいちで低音の測定がうまくいっていない気がする。ノートPCのサウンドの問題なのかセットアップマイクのせいなのかマイクの使い方が悪いのか。
Room EQ Wizard (REW)
どうもWaveSpectraでは低音がうまく測定できていない気がする。ということでRoom EQ Wizard(REW)を使ってみる。簡単な説明はこの辺参照。
<デバイス選択>
Preferencesでサウンドデバイスを選択する。標準サウンドの他にASIOが使える。
<校正>
SPL Meterを出してCalibrate、"Use REW speaker cal signal"で音を出して、50〜80dB、-20〜-12dBFS位になるようにボリュームとマイクゲインを調整する。dB数値を合わせてfinishedすると、測定できる最大dBが表示される。
<測定>
Measureで20〜20000Hzに変更し、Start measuringで測定する。
<結果>
表示されるSPL&Phaseグラフで20..20000ボタンを押して周波数特性を確認すると、周波数特性がそれっぽい感じで表示される。
遅延時間測定
参考
REWではタイミングリファレンス出力の指定もできる。これを使うとReferenceスピーカーと測定スピーカー間の遅延時間を測ることができる。
<測定>
Measureで"Use acoustic timing reference"にして"Timing
reference Output"をLchに、OutputをRchにして、左の出力は左後ろのみ、右の出力は右前のみ音が出るようにアンプへの結線を変えて、視聴位置にマイクを置いて測定する。
<結果>
Infoを見ると、System Delayのところで左後(Reference)に対する右前スピーカーの遅延時間(および距離差)を確認できる(右前の方が近いのでマイナスになる)。アプリ左側の測定パネルにあるサムネイルのメモ欄のDelay値にも出ている。全スピーカーを測定してそれぞれの遅延時間をDSPに設定する。(私のDSPの場合、基準点(一番遠い左後ろ)に対する各スピーカーに与える遅延を時間で設定するようになっている)
EQとパラメトリックイコライザー
参考
REWにはイコライザーの設定としてパラメトリックイコライザー(P.EQ)のパラメータを自動で出してくれる機能があるので使ってみる。
<設定>
上記の測定後、測定結果を選択してEQを押す。
右のオプション設定で、Target SettingsのSpeaker TypeをFull Rangeにして"Set target level"を押すと適切な目標レベルを示してくれる(デフォルトでは低音は上げ気味に高音は下げ気味になる)。
<算出>
EqualiserでDSP A8を選択(※)し、Filter Tasksで20〜20000Hzにして"Match response to target"を押すと、最適なP.EQ設定を提案してもらえる。グラフには補正の結果予想も表示される。ギザギザが激しいのはControlsの1/6oct Smoothingで均すとわかりやすくなる(Filters算出に影響あり)。
※私の使っているDSPのP.EQが5バンドのみのためDSP A8(これも5バンド)にしている。他にもMiniDSP-96kが5バンドである。
フィルタにより青線から黃線に補正されている。
<パラメータ確認>
"EQ Filters"ボタンを押すと各バンドの設定値を確認できるので、自分のDSPで使える値に修正する。私のDSPの場合、Freqは61箇所で固定、Gainは1dB単位、Qも0.5〜5の6つしかないので、設定できる値に変更してみる。
これを全スピーカーで行う。私の使うDSPではGain値の扱いが全然違うし、Qが一般的なQなのかQのカーブがどうなのかには疑問もある。なおデフォルトでは(パラメトリックイコライザーのセオリーとして)基本的に下げる方向のみの補正となる。
http://www10.plala.or.jp/p205tb16/avamp.html
坂井瑞穂