マザーボードのBIOS中のSCSI BIOSを入れ替える


いきさつ 97年12月23日

 今使っているマザーボードAX5Tには実はSCSIのBIOSが付いている。これはBIOSのないSCSIアダプタDC-310Uを買ったときに気がついた。立ち上げ時にNCR BIOSが動いてSCSIデバイスをスキャンするのだ。ただこのBIOSは3.07という結構古いバージョンである。DC-310Uの説明書によれば、マザーボードにあるBIOSを使う場合には4.XXが必要だと書かれている。それでもSCSIデバイスからのブートもできるし、IDEで立ちあげたときもSCSIデバイスにアクセスできるしまあいいやと思っていた。
 が、突然何の前触れもなく「SCSI BIOSをバージョンアップしたい」と思いたち、情報を集め、何とかバージョンアップできそうになったので、ここにまとめておく。

 ちなみに言っておくと、DC-310UにはSYMBIOS LOGIC社のSYM 53C860というチップが使われていて、NCR BIOSを使うようになっている。



準備

 BIOSを入れ替えるには次のものが必要である。

・SCSIボードのBIOS
・マザーボードのBIOS
・マザーボードのフラッシュROMユーティリティ
・PROG.ZIPという、BIOS編集ツール

私は次の場所で手に入れた。

FLASH409.ZIP
    SCSI BIOS最新版。SYNBIOS LOGIC社のホームページから。
 今はLsiLogic社のホームページにある。例えばbios41x.zip
AX5T160.EXE
    マザーボードのBIOSの最新版。AOpen社のホームページから。フラッシュROMユーティリティ付き。
PROG.ZIP
    BIOS編集ツール。Tekram社にあり。PROG.ZIP



手順

1.集めた圧縮ファイルを解凍する。必要なものは次のとおり。

    ・8XX_64.ROM(SCSIのBIOSイメージ)
    ・AX5T160.BIN(マザーボードのBIOSイメージ)
    ・AOFLASH.EXE(マザーボードのフラッシュROMユーティリティ)
    ・CBROM.EXE(BIOS編集ツール)

2.いわゆるクリーンブート状態で立ちあげる。デバイスドライバや自動実行ファイル、ドライブスペースなどの圧縮ドライバ類を立ちあげないようにしておく。私は起動時にF8キーを押して立ちあげて、STEP BY STEPモードにして、すべてESCでキャンセルしている。

3.マザーボードのBIOSイメージから古いSCSI BIOSを取り除く。

    CBROM AX5T160.BIN /NCR RELEASE

4.新しいSCSI BIOSを入れる。

    CBROM AX5T160.BIN /NCR 8XX_64.ROM

5.そのBIOSイメージをマザーボードに書き込む。

    AOFLASH AX5T160.BIN

以上。



結果報告
99年4月2日
 今更このSCSI BIOSを入れ替えるに再挑戦してみた。BIOS類は結構新しくなっていて、SCSI BIOSは4.13に、マザーボード(例によってAopenのAX5T)は1.80になっていた。作業は上の通りの順番でいいのだが、微妙に違っている。
3.でBIOSイメージから古いSCSI BIOSを取り除くときには/NCRは効かなくて、/otherで直接アドレスを指定する必要があった。
CBROM AX5T180.BIN /D 
でBIOSイメージの内容が表示されるので、ここに表示される値を指定する。私の場合は
No. Item-Name        Original-Size   Compressed-Size Original-File-Name 0. System BIOS      20000h(128.00K) 14E50h(83.58K)  original.tmp 1.Other(4100:0000)  0AB60h(42.84K)  05D9Eh(23.40K)  awardext.rom 2.Other(4086:0000)  04000h(16.00K)  02594h(9.39K)   NCR307.16K
と出たので、
CBROM AX5T180.BIN /other 4086:0000 release 
を実行した。
4.で追加するときにもこのアドレス指定で行う。私の場合は
CBROM AX5T180.BIN /other 4086:0000 8XX_64.ROM 
だった。
後は普通にマザーボードのBIOSを書き換えればOK。新しいSCSI BIOS(4.13)が立ち上がるようになった。うちではマザーBIOSの設定と、SCSI BIOSの設定をやりなおす必要があったが。更にこれでCD-ROMブートが可能かと思っていたが、うまくいかなかった。Rootable CD-ROMであることは認識するものの、起動できない。作り方が悪かったのかもしれない。

 AX5TのBIOSは256KバイトあるのでBIOS41Xの52Kバイトイメージでも問題なく収まるが、古いマザーなどで128Kバイトしかない場合には52Kのイメージが入りきれないときがある。BIOS4.1Xでは32Kのもの(PCI_32.ROM)も用意されていて、これなら使えそうである。どの機能がないかは8XX_32.TXTに書かれている。


99年8月1日
 上記(AX5T + Symbios4.13)ではだめだった。だが、新しく買ったマザーボード(TMC TI6NBF+)にはSymbiosBIOSは4.10が入っていて、この環境ではなぜかSCSI CD-ROMでブート可能。何が悪かったのだろう。


坂井瑞穂