今使っているマザーボードAX5Tには実はSCSIのBIOSが付いている。これはBIOSのないSCSIアダプタDC-310Uを買ったときに気がついた。立ち上げ時にNCR BIOSが動いてSCSIデバイスをスキャンするのだ。ただこのBIOSは3.07という結構古いバージョンである。DC-310Uの説明書によれば、マザーボードにあるBIOSを使う場合には4.XXが必要だと書かれている。それでもSCSIデバイスからのブートもできるし、IDEで立ちあげたときもSCSIデバイスにアクセスできるしまあいいやと思っていた。
が、突然何の前触れもなく「SCSI BIOSをバージョンアップしたい」と思いたち、情報を集め、何とかバージョンアップできそうになったので、ここにまとめておく。
ちなみに言っておくと、DC-310UにはSYMBIOS LOGIC社のSYM 53C860というチップが使われていて、NCR BIOSを使うようになっている。
BIOSを入れ替えるには次のものが必要である。
・SCSIボードのBIOS
・マザーボードのBIOS
・マザーボードのフラッシュROMユーティリティ
・PROG.ZIPという、BIOS編集ツール
私は次の場所で手に入れた。
FLASH409.ZIP
SCSI BIOS最新版。SYNBIOS LOGIC社のホームページから。
今はLsiLogic社のホームページにある。例えばbios41x.zip。
AX5T160.EXE
マザーボードのBIOSの最新版。AOpen社のホームページから。フラッシュROMユーティリティ付き。
PROG.ZIP
BIOS編集ツール。Tekram社にあり。PROG.ZIP
1.集めた圧縮ファイルを解凍する。必要なものは次のとおり。
・8XX_64.ROM(SCSIのBIOSイメージ)
・AX5T160.BIN(マザーボードのBIOSイメージ)
・AOFLASH.EXE(マザーボードのフラッシュROMユーティリティ)
・CBROM.EXE(BIOS編集ツール)
2.いわゆるクリーンブート状態で立ちあげる。デバイスドライバや自動実行ファイル、ドライブスペースなどの圧縮ドライバ類を立ちあげないようにしておく。私は起動時にF8キーを押して立ちあげて、STEP BY STEPモードにして、すべてESCでキャンセルしている。
3.マザーボードのBIOSイメージから古いSCSI BIOSを取り除く。
CBROM AX5T160.BIN /NCR RELEASE
4.新しいSCSI BIOSを入れる。
CBROM AX5T160.BIN /NCR 8XX_64.ROM
5.そのBIOSイメージをマザーボードに書き込む。
AOFLASH AX5T160.BIN
以上。
CBROM AX5T180.BIN /DでBIOSイメージの内容が表示されるので、ここに表示される値を指定する。私の場合は
No. Item-Name Original-Size Compressed-Size Original-File-Name 0. System BIOS 20000h(128.00K) 14E50h(83.58K) original.tmp 1.Other(4100:0000) 0AB60h(42.84K) 05D9Eh(23.40K) awardext.rom 2.Other(4086:0000) 04000h(16.00K) 02594h(9.39K) NCR307.16Kと出たので、
CBROM AX5T180.BIN /other 4086:0000 releaseを実行した。
CBROM AX5T180.BIN /other 4086:0000 8XX_64.ROMだった。
AX5TのBIOSは256KバイトあるのでBIOS41Xの52Kバイトイメージでも問題なく収まるが、古いマザーなどで128Kバイトしかない場合には52Kのイメージが入りきれないときがある。BIOS4.1Xでは32Kのもの(PCI_32.ROM)も用意されていて、これなら使えそうである。どの機能がないかは8XX_32.TXTに書かれている。
坂井瑞穂